2016年9月13日火曜日

ルネサスナイトの教育効果について

ルネサスナイトは、GRボード(ルネサス社マイコン製品を搭載したボードで電子部品ベンダーと連携し販売)を活用した作品を、4分間のライトニングトークで発表するイベントである。人気投票で上位者にはルネサス社から豪華賞品が提供される。また、ライトニングトークセッションとセットで、新製品ハンズオンセミナーや参加者懇親会のイベントも開催され楽しく有用なイベントである。

このGRボードは、ボビィエストや学生の間で人気のあるArduinoボードと互換だが、圧倒的に高機能で使い勝手が良い。顧問をしているロボットサークルでも、学生は自分の作品製作にGR-SAKURAやGR-KURUMIなどのGRボードを活用している。下記にロボットサークルの作品を紹介する。

GR-SAKURAを使ったディスプレイ

GR-KURUMIを使ったオセロゲーム
さて、ルネサス社GRボードを使用する理由はボード機能だけではない。顧問としてロボットサークルを指導する上で、下記の3つのことを心掛けている。
  1. 自分で調べて作り、問題・課題点はメンバーと議論する。
  2. 途中で投げ出さず、とにかく作品に仕上げる。
  3. 自分の作った作品の優位点・課題をしっかり説明できる。
こういったエンジニアマインドを育ててゆく上で、「ルネサスナイト」は非常に有効である。ルネサスナトの前半部は新製品ボード紹介やハンズオンセミナーである。これから製品化されるボードをていねいに説明してくれる。このボードは試作品で、ユーザーフィードバックを得るために無料で提供される場合が多い。セミナーで使ったボードはそのまま持ち帰れるので、学生は家に帰ってすぐに作品制作に取り掛かれる。技術のスキルアップや金銭面からも、学生にとってはこの上なくありがたいセッションである。
ハンズオンセミナー参加風景
そしてルネサスナイトの後半部がライトニングトークである。ここでは見学参加もプレゼン参加も可能である。プレゼン参加の場合、期日までにデモできる作品を仕上げる必要がある。これは指導目標②の訓練にはうってつけである。サークルメンバーはみな、どのような作品に仕上げどう見せるか時間と自分のスキルが試される。
作品制作風景
ライトニングトークには小学生も参加し優勝することもある。発表作品は技術だけではなく、オリジナリティや楽しさ・面白さがポイントとなる。サークルの学生たちは技術面で自信を無くしたりすることも多いが、小学生がたびたび入賞するのを見て、オリジナリティや発想の重要性に気づかされる。ライトニングトークは4分間という短い時間で終了する。4分経過と同時に、マイクが切れプレゼンが強制終了となる。4分間のプレゼンに作品の魅力を伝えデモを行う必要がるので、プレゼン資料の修正や発表練習を繰り返す。これは指導目標③の訓練となる。
ライトニングトーク発表練習
ルネサスナイトは、大勢の場で自分の作品発表する貴重な機会で、見事に入賞を勝ち取るとうれしさも人一倍である。


以上のことから、ルネサスナイトは学生の技術スキルアップ、課題や納期に対する開発方法の組立て方、自分の実力や作品を100%伝えるプレゼンテーション力の訓練に大いに役立っている。また、こういった経験や実績が学生のキャリアプラン・就職活動にも役立っている。

実際、今年度ロボットサークルの4年生が大手電子部品商社に内定した。最終面接では自己PRとして、ロボットサークルで開発した作品デモと1ページの自己PR資料を手渡し、しっかり時間内で自己PRができたそうだ。下記はその自己PR資料です。

自己PR資料(表上段)
自己PR資料(表下段)
自己PR資料(裏上段)
自己PR資料(裏下段)